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【医療】小児がん:福島で命つなぐ…県立医科大病院「ハプロ移植」

【医療】小児がん:福島で命つなぐ…県立医科大病院「ハプロ移植」

原発事故の影響で子どもの避難が続く福島県。しかし逆に、県外から福島にやって来て
命をつないでいる子どもたちがいる。国内で実施している病院があまりない小児がん患者への
「ハプロ移植」が、県立医科大病院(福島市)で行われているためだ。【本橋由紀】

 「もう治療できません」。白血病と闘う女児(7)の父親(48)と
母親(40)=北関東在住=は2010年の暮れ、当時の主治医からそう宣告された。

 女児は4歳で発病。白血球型が完全に一致している姉の骨髄を移植したが、
2カ月で再発してしまった。ハプロ移植のことを知った母親は、移植に取り組む
福島県立医科大病院臨床腫瘍センターの菊田敦(きくたあつし)医師(57)を訪問。
「菊田先生から『大丈夫です。やりましょう』と言われた時は、神様に見えました」

 女児は昨年2月に入院。同3月12日から移植の準備に入ることになった。
ところが同11日、東日本大震災が発生。混乱の中、予定より10日ほど遅れて
女児は父から造血幹細胞の移植を受けた。帯状疱疹(たいじょうほうしん)、
下痢、ぼうこう炎……。合併症で2カ月半ほど苦しんだが、現在の体調は安定している。
「本当に大変でした。でも、ハプロをやらなければ、
今こうしていられなかったかもしれない。やってよかった」と母親は言う。

菊田医師によると、同病院では00年8月、当時1歳の男児に初めてハプロ移植を実施。
これまでに約60件を手がけた。北海道や広島からも患者が訪れ
「半数強が助かっています。亡くなった方の半分は合併症で、
まだ今後の工夫の余地があります」という。子どもの白血病に詳しい
中通(なかどおり)総合病院(秋田市)の渡辺新(あらた)医師は
「従来助からないとされた子が半分助かっている。各施設でゼロからやるより、
経験のある施設で症例を増やすことはいいこと。応援している」とエールを送っている。

 ◇ハプロ移植◇
 白血球型が半分だけ一致している親子などの間で行う新しい移植方法。
治りにくい小児がんにも有効な治療方法として期待され、
福島県立医科大病院や大阪府立母子保健総合医療センター(大阪府)などで
取り組みが進んでいる。骨髄(こつずい)などに存在する血液を生み出す
「造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう)」を子に移植するが、重い合併症を引き起こすこともある。

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